診療案内

循環器内科

不整脈、心不全、弁膜症、狭心症、心筋梗塞などの心臓の病気、高血圧や閉塞性動脈硬化などの血圧や血管系の病気を専門的に診療する科です。

循環器内科で管理している病気、病態

高血圧

日本人の4000万人以上の方が高血圧と言われており(※)、その約半数の方が、医院や病院にかからず放置されています。治療により約40%脳卒中の確率を減らすことができます。また、二次性高血圧といって原因のある高血圧の方が隠れていると言われています。当院では高血圧の方の病態把握とともに原因精査をし、より良い診療を目指しています。血圧が高いと言われた方は、たとえ症状がなくとも受診するようにしましょう。

※:NIPPON DATA2010および2010年国勢調査人口より推計

不整脈

脈が速くなったり、遅くなったり、乱れたりする状態を言います。心臓に大きな異常がなければ治療しなくてもよいことがありますが、命に関わる場合もあり、一度は精密検査が必要です。心エコーや24時間心電図等で検査をします。また最近は心房細動といって脳梗塞の原因となる不整脈が増加してきています。また、この分野はカテーテルによる治療も進歩してきています。

狭心症、心筋梗塞

心臓を養う血管が狭くなり、一時的に血行が悪くなったために、胸の痛みを起こす病気が狭心症です。心筋梗塞は心臓を養う血管が詰まってしまう病気です。狭心症は放置すると心筋梗塞にいたる可能性もありますので、専門医による診断が必要です。

心不全

心臓が悪いために,息切れやむくみが起こり,だんだん悪くなり,生命を縮める病気です。
病気の名前ではなく、心筋梗塞、心筋症や弁膜症などから起きる病態です。高齢化社会において”心不全パンデミック”として急速に増加すると予測されています。

弁膜症

心臓の中には4つの弁があります。その中で心臓から大動脈が出るところにある大動脈弁、心臓の左側の上と下の部屋の間にある僧帽弁の病気が多く、特に高齢化のため動脈硬化により大動脈の弁が硬く狭くなる大動脈弁狭窄症が問題となっています。最近は胸を開いて手術をせず、カテーテルで直すことができる場合もあります。

動脈硬化

動脈の壁が厚くなったり、硬くなったりし、脳卒中や狭心症、心筋梗塞などの病気の原因となる病変です。10代からすでに動脈硬化は進行してくることが分かっています。糖尿病、高血圧、コレステロールの高い方が進行が早いため、それぞれの生活習慣病をきっちり管理しておくことが重要です。最近は中性脂肪や尿酸の関与も注目されています。

脂質異常症

(悪玉のLDLコレステロールや中性脂肪が高い、善玉のHDLコレステロールが低い)
狭心症、心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化による病気の原因となるため循環器内科でも厳重に管理します。

糖尿病

脂質異常症と同様に狭心症、心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化による病気の原因となるため循環器内科でも厳重に管理します。

循環器内科の受診を考えた方がよい主な症状

動悸

  • 脈が速くなったり(100/分以上)、遅くなったり(50/分以下)する。
  • 脈拍数は60~80/分と正常だが、鼓動を強く感じる。
  • 脈がとんでドキッとする。(胸が一瞬詰まる感じがする)

などが動悸の症状です。

胸痛

  • 胸が圧迫される、締め付けられる。
  • ズキズキ、チクチクする。
  • 差し込むような痛み

などがありますが、中でも圧迫感や締め付けられる胸痛は注意が必要です。

息切れ

息切れとは、呼吸をするのに努力を必要としたり、不快感を自覚することです。息がつまる、呼吸が浅い、呼吸するのに努力が必要、呼吸が浅い、十分に息を吐けない、呼吸が速いなどの症状です。安静時にはなくても階段を上ったり、歩いたり、走ったりしたときだけ症状のあることもあります。

むくみ(浮腫)

手足や顔などに余分が水分が溜まって腫れる状態です。心臓の病気以外でも、腎臓、肝臓や肺などの病気でも起こることがあります。むくみが起こり、体重が急に増えて、おしっこの量が少なくなったときにはより注意が必要です。

当院の設備について

当院では下記の装置を用いて、高血圧、心臓病、動脈硬化、血液検査 心電図、レントゲン、超音波検査などの詳細な診断、治療を行っています。

レントゲン 胸部、腹部など
ホルター心電図 24時間の心電図をすべて記録し、不整脈や狭心症の判断を行う(入浴可能な機種を導入しています)
携帯型24時間自動血圧計 24時間の血圧を自動に測定し、詳細な血圧の変化を調べる
カード型携帯用心電図 動悸や胸痛時に記録し、不整脈や狭心症の診断を行う
血圧脈波検査 四肢の血圧、脈波から動脈硬化の程度を測定する
(2008年からより機器を導入しております。)
心臓エコー(カラードプラー) 心臓の形や動きの異常、弁の逆流症などを調べる
(2015年から機器を追加導入しています。)
頚動脈エコー 脳に行く血管の動脈硬化の程度や血液の流れを調べる
下肢動静脈エコー 下肢の動脈の詰まりや下肢の静脈の血栓などを診断する
心電図モニター付除細動器 突然の重篤な不整脈などを治療する
簡易型睡眠時ポリグラフィー 睡眠時無呼吸症候群の診断を行う
骨塩検査 骨粗鬆症の診断を行う
心電図 2008年からデジタル化した心電図システムを導入しています
呼吸機能検査  
腹部エコー  
甲状腺エコー  
自動血算測定器  

高血圧、脂質異常症、糖尿病は脳卒中や心筋梗塞などの動脈硬化による病気の危険因子です。
したがって、高血圧、脂質異常症、糖尿病を持っている方の動脈硬化の程度を知ることは脳卒中、心筋梗塞予防において非常に重要です。当院では脈波検査、頚動脈エコーを用いて動脈硬化の程度を測定し、診断治療に役立てています。