坂口医院 内科・循環器科 〒588-0004
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コラム

血管保護を考える会

 平成18年10月12日にホテル日航大阪で第1回の“血管保護を考える会”が開かれました。この会は血管内科の日本のリーダーの一人である松尾汎先生(国立循環器病センターに長年勤務され、現在は大阪市内で開業されている)を中心に谷口クリニックの院長の谷口敏男先生と私がノバルティスファーマ株式会社のバックアップのもとに開催した会でした。

高血圧、糖尿病、高脂血症という3大生活習慣病を治療する最大の目的はそれから引き起こされる脳卒中や心筋梗塞を予防することです。脳卒中も心筋梗塞も血管の動脈硬化により引き起こされる病気です。したがって、高血圧、糖尿病、高脂血症をもたれている患者さんの“血管を保護すること”が脳卒中や心筋梗塞を予防することにつながるのです。

血管を保護するためにはまず動脈硬化の程度を診断することが重要です。同じ血圧の高さ、同じ血糖値、同じコレステロールの値でも個々の患者さんで動脈硬化の程度が違います。動脈硬化の程度が強い患者さんは将来の脳卒中や心筋梗塞の危険が高いので厳重な管理が必要です。動脈硬化の程度は当院でも行っている頸動脈エコー(首の部分の脳に行く動脈を超音波で見る)や脈波伝搬速度(両手足に血圧を測るときに使うマンシェットのような物を巻いて計る)で現在診断されています。しかし、最近は同じ動脈硬化の程度であっても、すなわち同じくらい血管が細くなっていても、将来詰まりやすい動脈硬化と詰まりにくい動脈硬化があることが分かってきました。動脈硬化のふくれた部分(プラークといいます)の中身が脂肪性分が多く、表面を覆っている膜が薄い、柔らかいものはその部分がやぶれやすく、詰まりやすく危険であると報告されています。
 
正常な血管
早期の動脈硬化
高度な動脈硬化

現在この動脈硬化の性状の診断は入院し、血管内超音波など体に管を入れたりして測定する必要があります。この会は血液の検査など一般の診療所でも簡単に動脈硬化の性状を測定できる良い指標がないか、患者さんに痛みなどの侵襲のない方法で簡便に早期の動脈硬化を診断する新しい方法がないのかを勉強し、今後の診療の役に立てようという目的で始めました。もし簡単に将来詰まりやすい動脈硬化を診断することができれば、より効率的に治療することができるようになり、必要最小限度のお薬で治療することが可能になります。すでにいくつかの採血で分かる有力な指標が報告されていて、そのいくつかは実際に有用なのかが検証されています。当院でもその研究に参加し、何人かの患者さんにご協力をいただいています。この“血管保護を考える会”が発展し、当院に通院されている患者さんにより効率的な無駄のないよりよい治療が行えるようになることを期待しています。