コラム・家庭での血圧測定(2012年版)

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家庭での血圧測定(2012年版)

2012年6月

最近は家庭血圧計が普及し、診察室では血圧が高いが家庭では正常な白衣高血圧や診察室では血圧は正常だが家庭の血圧が高い逆白衣高血圧と言われる状態が把握できるようになっています。逆白衣高血圧には早朝の血圧が高い早朝高血圧、日中のストレス時に血圧が上がるストレス下高血圧、夜間に血圧が上昇したり下がらない夜間高血圧があります。最近の臨床研究の結果から診察時の血圧よりも家庭での血圧、特に早朝や夜間の血圧が脳卒中や心筋梗塞との関連が強く重要であるとされています。そのため家庭での血圧測定は非常に重要ですのでその測定方法についてふれてみたいと思います。

家庭血圧の測定方法

測定装置・部位:
・上腕用の血圧計を用いる。(手首、指用の血圧計の使用は避ける)
・測定は座位でカフが心臓の高さになるようにし、腕は伸ばした状態で上腕の筋肉の緊張をとくため、前腕を机やテーブルの上に置き、必要ならば枕などの支持を用いる。
・原則的に利き腕の対側を用いるが、左右差のある場合は両方測定する。
測定条件:
朝—-起床後1時間以内、排尿後、座位1-2分安静後、服薬前、朝食前
晩—-就寝前、座位1-2分安静後
測定頻度、期間、記録:
・朝、晩それぞれ1-3回ずつ。原則として連日測定する。連日測定が困難な場合は外来受診前の5日間程度測定する。
・すべての測定値は年月日、時間、脈拍とともに記録する。
・複数回測定した場合は1回目より2回目以降が低くなる傾向があり、最も低い値を選んで記録したくなる方がいるのですべての値を記録する。
当院から夜間の血圧が測定できる器械を貸し出した場合の夜間血圧の測定:
・飲み会などの特別な行事のあった夜や休日の夜を避けて、平均的な日に夜間血圧の測定を行う。
・連日の測定でなくてよく、貸出期間の間に少なくとも3日間の測定を行う。
・この器械を貸し出している間は朝、晩の血圧測定もこの器械で連日測定する。